管理者: 2009年1月アーカイブ

1980年代にPR業界に入った頃、PRの報酬は、基本的に費やした時間に対する対価であった。クライエントの代理として動き、クライエントに実働時間の対価に勝る価値をもたらした。当時PRがプロパガンダと思われがちな点もあり、企業に対する社会からの評価(Reputation)を高めることを目指すPRを我々はReputation Managementと呼び始めた。広報=メディア・リレーションと狭義に捉えられがちな当時、クライエントに対し、この言葉で活動を提案するたびに、その言葉の訴求力の強さを実感した。

 

マスコミが「株主の権利」について日本で初めて大々的に報じ始めた際も、国内企業の株式買収と株主総会への出席に絡む、ある事例の渦中にいた。今から思えばあの頃からこつこつとIRについて体系立った方法論を蓄積していれば、ひょっとして今頃はIRコンサルタントとして身を立てていたかもしれない。当時は株主に対する情報開示の一環で米国系のクライエントがForm 10-Q(四半期報告書)およびForm 10-K(年次報告書)を日本の機関投資家、個人投資家向けに翻訳して配布しており、四半期ごとにそれを作成するのが私の定例業務の一つでもあった。

 

メディアとPR代理店との関係について私は、記者が自らでは把握しきれない膨大な価値ある情報を彼らに伝播する媒介としての役割と認識していた。記者の皆さんに貴重な「きっかけ」を差し上げること、大事なことに気付いていただけるよう手助けすることが使命だと心得ていた。あれから20年、ワープロ、続いてPCが私たち、そして記者の皆さんの仕事のスタイルを変え、インターネットを通じ、個人でアクセスできる情報の量が飛躍的に増大した今でも、それは変わらない。

 

Webという強力な情報発信ツールを通じても伝えきれない、しかも貴重な情報アセットを企業は豊富に持っており、それを仲介するPRパーソンの使命は今でも変わらない。メディアとの信頼関係は今でもそれをベースに育まれる。もちろん、情報伝達の速度は20年前とは比較にならないほど早まり、PRパーソンのReputation Managementの迅速な対応とバランス感覚が企業の存亡を左右すると言っても過言ではない。

 

企業のReputationを左右する、広報代理店業務、そのサービスに対する報酬が「成功報酬」ということは20年前には思いもつかないことであった。1980年代、PRに「成功報酬」はなじまない考え方だった。今も変わらないが、われわれがメディアや消費者等、ステーク・ホルダーと対峙するときは、クライエントの代理人として常に真剣勝負で対応しているからである。時に、マーケティング、商品・製品PRの分野で成果の予想し難いアプローチをする場合に、確約できる具体的な成果をクライエントから事前に求められることがある。そんなところに「成功報酬」が入り込んでくる隙がある。広報代理店にとってそれは好都合だが、「逃げ」であり、成果が出なかった時のための「予防線」となり、さらには「保身」につながっていく。「創造性」や「チャレンジ」からも遠ざかる。

 

クライエントに代わり、あるいはクライエントと共に情報提供のためメディアや他のステーク・ホルダーにコンタクトをし始めた時、貴重な代理人としてReputation Managementの一翼を担った、Best Effortレベルではあるが最高の効率を意識した活動が始まる。その活動、そのプロセスにPRの価値があることを再認識したい。

(M)

日本ではほとんど見かけることがなくなった蚊帳だが「オリセット®ネット」という名でアフリカを中心に爆発的に普及していることをご存知だろうか。

 

この「オリセット®ネット」は、WHO(世界保健機関)から「長期残効型防虫蚊帳」として使用を推奨され、米週刊誌『TIME』で「Most Coolest Inventions of 2004」に選定、マイクロソフトのビル・ゲイツや女優のシャロン・ストーンが熱心に購入を呼びかけるという優れモノだ。

 

マラリアは蚊を媒介にした感染症だが、今でも年間5億人が発症、抵抗力の弱い幼い子供を中心に年間100万人が命を落とすといわれ、そのほとんどは、アフリカのサハラ砂漠以南の地域で発生している。この恐ろしい伝染病マラリアの撲滅に日本の化学メーカーが開発した蚊帳「オリセット®ネット」が大きな役割を果たしている。

 

一般の蚊帳と大きく違う点は2つ。1つは蚊が嫌がる成分を特殊な技術によって樹脂に練りこみ、その成分が徐々ににじみ出ること。このため、洗濯をしても殺虫効果が5年以上失われないという。そしてもう1つは網の目が4ミリ幅と通常の倍もあること。アフリカという酷暑の地にあって、通気性を最大限確保しつつ、蚊が侵入しないギリギリの幅を検討した結果だそうだ。実物を手に取ると、鮮やかなスカイブルーの色調と相俟って、蚊帳というよりおしゃれ(?)な魚網のようでもある。

 

この会社ではタンザニアの現地企業に技術を無償で供与しているほか、その現地企業と合弁企業も立ち上げているが、これら2ヵ所の工場で3,200人以上の雇用創出につながっている。この工場には有名人の来訪も少なくなく、これまで元サッカー選手の中田英寿氏、英ロックバンドU2のボーカリストのボノ、そしてブッシュ前米大統領夫妻までもが視察に訪れた。昨年2月にブッシュ夫妻が訪れた時の様子はBBCなど世界各国のメディアを通じて報道されたほか、ホワイトハウスのホームページでも見ることができる。(※現在はリンク切れ)

 

現在、中国とベトナムで生産される分も合わせると、年間3,000万張りが生産され、1セット5ドルで国際的な援助機関やNGOを通じて必要とされる地域に届けられている。今後、ナイジェリアにも同様の生産拠点をつくる計画で5,000人が新たに雇用される予定だという。

 

今やCSR(Corporate Social Responsibility)は企業の持続的発展において"蚊帳の外"を決め込むわけにはいかない取り組みだ。ただ、同社のように単に社会貢献にとどまらずに、事業として成立し、その継続のための適正利潤を得るというモデルはまだまだ少ない。その意味でCSRというものが本来あるべき姿というものを示しているのではないかと思う。

(T)

 

BBC NEWS:

http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/africa/7250321.stm 

明けましておめでとうございます。

お蔭様で、弊社は本年20周年を迎えました。
これもひとえに皆様のご指導、ご鞭撻の賜物と感謝しております。

さて、今年の年末年始は珍しく、9連休という長いお休みでしたが、テレビ三昧だったという方もいらっしゃることでしょう。お正月と言えば、箱根駅伝。今年は早稲田と東洋の優勝争いも気になるところでしたが、 間に挟まれる、某携帯電話のCMで有名な白戸家のお父さん、お母さん、お兄さんが登場する読売新聞のコラボCMに驚いた方も多かったのではないでしょうか?


コラボCMで最近良く見かけるのが、企業が複数集まって1つのCMを作るというパターンです。例えば、団塊世代をターゲットにしたANA・読売新聞・PLATINUMの3社によるコラボCMは、典型的なストーリーとはいえ、きれいにまとまっていて、良くできたCMでした。


 

このようなCMと比較して、さらに今回のコラボCMがユニークな点は、あくまでも、読売新聞が旅行会社やIT企業との共同コマーシャルであり、白戸家が出演しているものの携帯電話の宣伝が一切ないことです。

また、1月2・3日の駅伝中継のあいだ流れるこのCMは、テレビ番組自体ともコラボし、お父さんが、「駅伝が聞こえないじゃないか」という場面も見られ、今までにない先進的なCMともいえるのではないでしょうか。

100年に一度の不況とも言われる景気停滞期の中、広告業界も苦戦を強いられています。この異例のコラボCMは、少しでも業界を元気づけようと、白戸家を生み出したクリエイティブディレクターらの発案と制作により実現したようです。

 


 

暗いニュースとさまざまな業界の不振の情報ばかりが続く中、このように業界全体を少しでも盛り上げようとする方がいらっしゃるのは素晴らしいことですね。私たちも少しでも皆様の発展に貢献できるよう、これからも社員一同、真面目かつ誠実に業務遂行に取り組んで参る所存です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。(RH)

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