製品への自信を製品価値アップへつなげる


新しくアップル社から製品が出る際には、いつもその製品発表プレゼン動画を観ることにしている。おりしも、先日またその機会に恵まれた。

理路整然としたデータ上での自社の優位性についてのダイナミックな動画、動きを取り入れた観る人を飽きさせない説明・・・。もちろんカンニングペーパーなどは手元にない。時折ジョークを交えた演出(「この市場で我々がトップを走っているが、一体他社は何をしているんだい?」といったようなコメントなど)、製品が登場する際のちょっと意表を突くような演出(製品が暗闇から浮かび上がってくるようなシーン)そしてbrilliant、extremely,、excited, the best…ever、perfectなどの単語を頻出させ、あたかもアップル社のマジックにかけられたかのような錯覚に陥らせるその話術。さながら、映画や舞台を見ているかのような錯覚に陥る。実際、ところどころで拍手と歓声が発表会場から聞こえてくる。

スティーブ・ジョブズ氏亡き後も後継者のプレゼンター達にしっかりと引き継がれていた。

製品発表とは、その製品を初めて世界へお披露目する場でもある。ここで、アップル社のプレゼンター達は申し合わせたように、ジーンズとお世辞にも華やかとは言えないカラーのシャツを纏っている。あくまで、ぎりぎりまで作業を続けてきた「現場」から、時間を縫って抜け出てきたことをアピールするためのドレスコードだ。セルフ・プロデュースが徹底している。

このような製品発表のスタイルはいつから確立されているのか、詳細は分からないが、このスタイルとプレゼン能力の高さが、アップル社の製品を世界の人々に確実に印象づけるのに一役買っていることはすでに多くの書籍などでも論じられている通りである。
先日趣味と実益を兼ね、アメリカのマウンテンバイクの国際展覧会の模様を動画で見ていたら、マウンテンバイクのマーケティング担当者などもテレビ取材に対してperfectやexcitedを多用していることに最近気が付いた。彼ら、彼女らはプレゼンターとしての自分の立場を理解し、製品を簡潔に、そして魅力的に感じさせる術を心得ているのだろう。(そしてperfectと言われると、そう感じてしまう錯覚はなんだろう。)

日本語で、この製品は「完璧です」などと製品発表の場で言えるだろうか。おそらく、クレームが来ることを恐れて、言い切ることができない、というのが現状だろう。

文化の違いかもしれないが、プレゼンをあくまで、製品プロモートのための「ショー」としてとらえ、観る者に楽しんでもらおうとするそのサービス精神、大変勉強になる。

このように世界を舞台に戦っていくためには、言わずもがなだが、ユニークさと強い印象を与えることのできるセルフ・プロデュース力、プレゼン力が必須になっていくのだろう。アップル社のプレゼンを観ながら、ぼんやりとそんな風に考えた。

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