メディアに必要なのは「記者」か「エンジニア」か。そのとき、広報はどう変わるのか


新聞記者出身の私にとっては、なんとも物悲しい気持ちにさせる題となってしまいました。メディアにとって一番大事なのは、ネタを取ってくる記者という思いが強いから、どうしてもそんな気持ちになってしまいます。

しかし、従来のメディアを残しつつ、記者を必ずしも必要としない新しいメディアが誕生しているのが現実です。それに対応する広報も変わっていかなければならないとつくづく思います。
 

■エンジニアが求められる新しいメディア

先日のセミナーでニュースのキュレーションサイトの編集長の話を聞くこととなりました。オンラインメディアでは名の通った方です。その方が今後のメディアに必要な人材として記者の他にエンジニアを挙げていました。

なぜ記者だけではなく、エンジニアも挙がってくるのか。その原因がスマホの台頭と、新しいメディアとして注目されているキュレーションサイトの登場なのです。

キュレ―ションサイトだけでも、「Naver」や「Antenna」「Gunosy」「SmartNews」「NewsPicks」など様々にあります。読者は、そのアプリをスマホにダウンロードして、情報を収集します。電車の中などで気楽に読めるのも人気が出る一つの理由なのでしょう。

キュレーションサイトの情報の収集方法には、少なからずシステムが組み込まれています。人気のある話題などを、アルゴリズムを組んで調べて、それに関する情報を並べていきます。この作業をどこまでアルゴリズムで行うか、それとも人のセンスで行うかという割合が、サイトによって異なり、差別化になっているようです。

今までのメディアで記者や編集が行っていた「ネタを拾い、記事を書き、紙面に割り付ける」という作業が、キュレーションサイトでは少しずつシステムに置き換わっているのです。だからこそ、新しいメディアはエンジニアを補強しなければならないという考えになっているようです。
 

■メディアが変遷していくなかで、広報も変わっていく。

従来の広報は、テレビの露出や5大紙の記事を狙うのが基本でした。それにインターネットのニュースサイトも重要視されるようになりました。

どちらにしろ、その媒体の記者に取材をしてもらい、記事を書いてもらわなければ始まりません。プレスリリースを作成し、イベントを実施し、工場見学などで記者の取材誘致を図ってきました。そこには、記者とのネットワークやコミュニケーション能力も求められていました。

しかし、キュレーションサイトへの対応は異なってきます。システムで記事を拾ってくる先は、なにもニュースサイトに限定されるわけではありません。企業のWebサイトの情報を拾ってくる可能性があるのです。

今まで、記者を通して記事化を図り、露出を期待していたものが、自社の情報がそのまま掲載される可能性もあるということなのです。自社サイトの「コンテンツ」強化を図ることで、直接メディアに露出できるようになります。

キュレーションサイトの登場は、今までのルートとは異なる広報戦略が取れるようになるということで面白いと感じています。信頼性の高いキュレーションサイトに掲載されれば、自社の広告のような記事が、メディアの記事の一つとして扱ってもらえるのです。

そうなると、これからの広報も、コンテンツの提案に力を入れながら、アルゴリズムの検索にかかりやすい文章の書き方なども勉強しなければならなくなるのだろう。

 

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