海外広報を行ううえで覚えておきたいこと


経済のグローバル化が進展する中で、海外広報の重要性はますます高まっています。経済広報センターが行った「第10回企業広報活動に関する意識実態調査」(2009年3月発表)によると、重視する地域として上位に上がったのは中国(47.3%)、北米(33.5%)、東南アジア(ASEAN)(33.3%)、欧州(28.6%)でした。このうち、2005年の調査に比べて増加したのは中国と東南アジアでした。

以前、とある中国メディアの東京支局長は「何をどのような目的でPRするのかを明確にしておかなければ長続きしないだろう」と述べていました。この点を踏まえて、海外広報を実施するうえで、覚えておきたいポイントは「海外メディアに対する理解を深める」、「信頼関係を築く」、「グローバルな視点を持つ」ことだと思います。

海外メディアに対する理解を深める

国内のメディアでも、相手がどのようなメディアであるかを知っておくことは必要不可欠ですが、同様なことは海外にも当てはまります。日本では全世界の100を超える海外メディアが主に東京を拠点に取材活動を行っています。しかし近年、海外メディアの興味や関心が中国などに移り、日本に対するそれが相対的に下がっていることは否めません。また、メディアを取り巻く経営環境が厳しさを増していることから特派員の数を減らしたり、支局を閉鎖したりしたメディアもあります。

海外メディアと一口に言っても、欧米系とアジア系でも興味や関心が異なります。大まかにいうと、欧米系は「グローバル社会における日本」、アジア系は「自国と日本の関係」という視点で取材を行っています。このように海外メディアの特徴や視点をよく理解することが重要だと思います。

信頼関係を築く

相手を理解し、かつ相手に理解されるには”face to face”のコミュニケーションが大事であることは言うまでもありませんが、海外メディアというだけで必要以上に慎重になる企業が少なくないようです。言語などの面でやむを得ない面はあるものの、海外広報を強化するなら、定期的なコミュニケーションの場を作ることを是非心がけてほしいと思います。よほど大きなニュースでなければ、単にプレスリリースを送るだけで記事になることはほとんどありません。自社に対する理解を促す意味で、海外メディアを対象にした懇親会や工場見学会は効果的といえます。

グローバルな視点を持つ

自分の会社を「国内シェア何位」というように紹介している日本企業が多いですが、ある欧米系通信社の特派員は「我々が知りたいのは『世界シェア』です。海外メディアに接する際はグローバルな視点での発言を心がけてほしい」と述べています。また、「英語による情報開示の充実」のニーズが欧米系のメディアから高いことも付け加えておきます。

中国中央電視台が伝えた震災報道

昨年の東日本大震災は海外メディアにとっても衝撃的なニュースでしたが、中国中央電視台(CCTV)の東京支局長に伺ったところによれば、「東日本大震災が発生した当日、3人いる支局員のうち、2名がすぐさま車で仙台に向かった。高速道路が閉鎖されていたので、一般道でひたすら仙台に向かった。途中、福島からレポートを行い、仙台に着いたのは翌12日の夜だった。海外のテレビ局としては最も早く現地からリポートを送ったのではないか」と述べていました。ちなみにこのときは、香港などから取材応援のために7名の記者が緊急来日したそうです。

CCTVの看板ニュース番組「新聞聯播(シンウェン・リェンボー)」で東日本大震災の状況を伝える映像が今でもCCTVのウェブサイトに残っています。映像はかなり生々しく、その日のことを弥が上にも思い出されます。

http://news.cntv.cn/program/xwlb/20110312/109615.shtml

http://news.cntv.cn/program/xwlb/20110312/109629.shtml

(T)

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