右へならえ


各国の国民性をネタにしたジョークがあります。『世界の日本人ジョーク集』という本にも収録されているので、ご存知の方も多いかと思います。

大勢の乗客を乗せた豪華客船が沈みだした。船長は、それぞれの外国人乗客にこう言って、船から海に飛び込ませた。

アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」

イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」

ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」

イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」

フランス人には「飛び込まないでください」

日本人には「みんな飛び込んでますよ」

“右へならえ”の日本人の国民性を上手く皮肉っていて、お気に入りです。

面白いでしょう?

今回は以上です。

ウソです。

なぜいきなりこんなジョークの話を書いたかと言いますと、民主党が圧勝して政権交代となった先日の衆院選、そして「郵政選挙」といわれた4年前の衆院選。まさにこのジョークを体現しているように思えたからです。

自民党が圧勝した4年前、みんなが・TVが「郵政民営化」を叫んでいるから自民党に入れました、という人の票が、今回はみんなが・TVが「自民党はダメだ、麻生さんはダメだ」と言っているから挙って民主党に移った、という印象を受けました。議席数だけで見れば、ほぼそっくり入れ替わった形ですから。もちろん要因はそれだけではないとは思います。が、各党のマニフェストを見比べて投票所に行った人はどのくらいいるのでしょう?

選挙前には一部のインターネットネットアンケートと新聞、TVの世論調査で、支持政党に大きな違いが見られましたが、蓋を開けてみればほぼ大手メディアの調査通りの結果に。

ネットの力が大きくなっているとはいえ、大衆への影響力、逆に大衆の声を測るツールとしては、まだ既存マスメディアにアドバンテージがあるということでしょう。

商品・サービスの広報・PRで、「ブログで話題になっている」「口コミで広がった」というのは理想的なストーリーですが、TVや情報誌で取り上げられ、”話題になっている”という事実が出来上がらないとストーリーは完成しないと言っても過言ではないと思います。

TVで紹介されただけで、何の変哲もないバナナや納豆がブームになってスーパーから姿を消しますからね。

ブームや話題性を作るのは当然目標になりますし、TVや大手新聞など影響力のあるメディアで紹介されることを狙います。ネットと比べて時間やスペースに大きな制限がありますので、ターゲットに届くためには、わかりやすさやインパクトが重要になります。戦略性がないとはいえ、上記の食品は「食べれば痩せる!」というこれ以上ないわかりやすさでブームになった最たる例でしょう。

ただし、キチンとした根拠や方法など、上辺だけでない部分も伝えなければ後々問題になる、という面でも上記の食品などは最たる例といえます。

食べて痩せるなんて旨い話があるわけないのは、よくよく考えればわかりそうですが、周りがみんなやっていれば、深く考えずにそれに倣ってしまうものです。

話題性だけではなく、本質もターゲットにしっかり伝えて理解促進を図るのも広報・PRの本分です。話題性と理解、両輪をバランスよく回していくのが理想ですが、そんなに簡単に実現できるなら、とっくに本の2~3冊は書いてますね…。

(SI)

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