今晩も飲みに行きましょう!人類700万年、コミュニケーションの基本形は変わらない?


2012年も早いもので、残すところ2ヵ月をきりまして。
そろそろ皆さん忘年会の予定とかも視野に入ってくる頃でしょうか。

そういえば先週11月7日(水)は立冬でした。
翌8日(木)は、冬の風物詩「酉の市」の、「一の酉」の日。
暦のうえではとっくにもう冬で、鍋や熱燗のおいしい季節です!

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そんなふうに、誰かと食べたり飲んだりする機会が増えてきそうな
時節ですが、昨今は職場の上司・部下・同僚とお酒を酌み交わす
“飲みにケーション”が、揶揄されたりはたまた再評価されたりと、
毀誉褒貶はげしいご時勢でもあり。

まあ、人によって飲める飲めないがありますので、お酒という要素は
このさい措いておくにしても、誰かとコミュニケーションをはかるときに
一緒にご飯を食べるというのは、何気にとても大切なことだと思います。

というか、急にハナシが大きくなりますが、人類700万年の歴史を
振り返ってみますと、誰かと一緒に食事をするという行為は、
むしろどうやら私たちの祖先が進化の過程で獲得した、
人類ならではのコミュニケーション手段らしいのです。

人類と類人猿(オランウータン・ゴリラ・チンパンジー・ボノボ)の
進化の道筋が共通の祖先から分かれた最後のタイミングは、
だいたい700万年前のこととされています。
(このとき、ヒトはチンパンジーと分かれたとされています。)

そして、これ以降それぞれに歩んだ進化の道筋により、
人類と類人猿を大きく隔てる違いのひとつとされる
「共に食べる」行動の有無が生まれたんだそうな。

(詳しくは霊長類学者の山極寿一先生@京都大学の
『家族進化論』東京大学出版会.2012が参考になります。
興味のある方はぜひどうぞ。)

たとえば類人猿よりもっと“サル”であるニホンザルは、
休むときは身を寄せ合っていますが、
食べるときは離れあって互いに食事の邪魔はせず、
食べ物を仲間に分け与えることもないそうです。

霊長類でももっと進化した類人猿は
食べ物を仲間に分け与えたりすることもありますが、
それでも要求されなければ決して食物を分け与えず、
仲間と一緒に食事をすることもほとんどないようです。
そういえば、私も何かの動画で見ましたが、
母チンパンジーが自分の子から食べ物を奪い、
一人で食べてしまうことすらあります。

それに比べると、私たち人間はたいそう気前よく
他人のために食べ物を用意し、調理し、ふるまい、
乞われずとも分け与え、共有します。
日常的には、お茶の間の団らんとかで家族とともに、
それこそ忘年会とかでは家族でない人とも、
何かにつけて食べ物や食べる場面、つまりは「食」を共有しています。

そして、食べるときは、物をただ食べているだけではありません。
仲良くおしゃべりなどしながら食事をし、情報の交換や関係性の構築を
行っています。「食」を通じて、他者とコミュニケーションをはかっています。

パーティで人脈づくり、料亭で秘密の会合、会食で外交交渉、
キャバクラでは接待その他、合コンでは…。
見渡せば、まさに「コミュニケーションはSNSではかるんじゃない、
酒食ではかるんだ!」という趣きですが、じつはこうした営みも、
人間が人間たるゆえんなのです。

してみると、ネットで関係を繋ぐだけではどこか物足りなくて
オフ会とかが発生してきた理由は、人類の本質に根ざした
「やっぱり顔あわせて同じ釜のメシ食わなきゃはじまらないよね」
という感覚にあるのではないでしょうか。

あるいは、やたら食事の写真撮ってウェブにアップする向きも
ありますが、これはこれで新しい「食」の共有かもしれません。
まあ、見させられているほうは、実際には共有できていませんが…。

…そんなわけで、今晩も人間らしいコミュニケーションをはかるべく、
ご飯でも食べにいきましょう、ついでにお酒も!
そうだ今週11月15日(木)は、ボジョレーの解禁日!
(TM)

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