トロントと日本では喫茶店も進化する

「どのゲーム喫茶店でも、分けて食べる料理は共通だが、客が選べる飲み物は店によって異なる。店にあるのは紅茶、ビール、ワイン、エスプレッソなどだ。どのゲーム喫茶店でも耳に入るのは、早口のおしゃべり、笑い声、ころがるサイコロなど、陽気な様子。さらに、スマートフォンはめったにないという点も共通している」

これはニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の国際週刊版(2016年2月21日号)が伝える、過去2年間で特に増えた、トロントの卓上(ボード)ゲーム喫茶店の様子である。

「ボード」は「将棋盤」や「碁盤」の「盤」に相当するから、トロントで人気を博しているのは将棋にかなり似ているチェスや升目を必要としないサイコロ・ゲームである。すべてアナログだ。日本人が「ゲーム」と聞いて連想しそうなポケモン・カードなどとは異なるわけだ。

記事の見出しは「トロントで人気、卓上ゲーム」。「トロントではボード喫茶店が急激に増えている。トロント地域での大衆文化を伝えるブログTOは、2年前に人気上位20店を発表したが、それ以後もブログを書く人々は新しい店についてあれこれ伝えている。

いくつかの店が紹介されている。スネークス&ラッツ(蛇と横木)別館では、ヨーロッパの「カタンの開拓者」や「人間性に反するカード」などの卓上ゲームの販売もやっている。

スネークス&ラッツ大学は近くのリトル・イタリアにある、広さ700平方メートルを誇る喫茶店で、飲み物はワインが16種で樽入り地ビールもある。バムポット・ボヘミアン卓上ゲーム喫茶店では、アルコール飲料を置いてない。

しかし、これはトロントに限られた流行りではなかろうか。

一方、日本の環境省は、猫喫茶店の規制を夏前には緩めようとしている。猫喫茶店とは、文字通り、客が猫とたわむれる店。これらの店は午後8時までの営業を認められてきたが、これを午後10時まで延長するというのが規制緩和の内容だ。なぜ午後8時までだったのか。ペットショップの営業が8時までだという簡単な理由だ。

緩和前後で変わらないのは、猫が十分に動きまわれるスペースを確保しなければならないという条件だ。

環境省の規制緩和を決めるまでの経緯は科学的だった。実験により、午後8時と午後10時まで勤務した猫のストレスを調べてみたら、両群に差はなかったという。

日本にある猫喫茶店は約300店。

猫に限らずペットの喫茶店内への立ち入りを許すだけでなく商売に利用するという日本の現状は、文献を見る限り、日本独自である。

猫はずっと自国産だったと思いがちだが、実は他のものと同様に朝鮮・中国から古代に日本にやってきた。

猫は、歴史家によると、10世紀くらいまでは珍しく、珍重されてきたそうだ。日本の家庭で普通のペットになるまでに、それ以後、さらに約2世紀を要したという。

日本に進出してきたカナダの喫茶店もある。バンクーバーを拠点とするブレンズ(Blenz)コーヒーで、1992年の創立以来、100%アラビカ豆を売り物にし、ブリティッシュ・コロンビア州が主だが、フィリピンにも進出し、東京では3店を開いている。

話をトロントに戻そう。NYTによると「タイ、南アフリカ、英国、インド、メキシコの起業家が、トロントに電話をよこしたり訪れたりしている。どう経営すれば非デジタルで完全にアナログの卓上(ボード)ゲームで楽しませる店が成り立つのか知りたがっているのだ。」

 

潮 昭太(東京在住フリーランス記者)

Page Top