「黒いダイヤ」と称された石炭は今や主要なエネルギー市場で後退

オンタリオ州政府は石炭火力発電を段階的に廃止する意向である、と日本の電気事業連合会(以下FEPC)は昨年12月22日に公表した。FEPCによると、この方針の一環として、2014年までに停止した石炭火力発電所の再稼働を認めないとする法案が11月25日、議会に上程された。

石炭は数十年前には「黒いダイヤ」と呼ばれ、持てはやされた。特に1469年に日本で初めて石炭が見つけられたとされる九州・三池地方では、その現象は顕著だった。炭鉱所有者は大金持ちとなり、戦後の奇跡的な経済復興の原動力の一つともなった。

しかし、国内での年間生産量は2014年には130万トンに減った、と日本石炭エネルギー・センターは発表している。ピークは1940年の5,630万トンだった。

資源エネルギー庁は、石炭を液化天然ガス(LNG)、原子力、代替可能エネルギー(特に風力と太陽光)とともに重要な電力用資源としている。

同庁の昨年3月の発表によると、日本の石炭火力発電は平均して40%以上の熱効率を誇り、40%以下のドイツなど経済先進国を引き離している。ちなみに日本は1995年にはちょうど40%だった。

熱効率が高いほど、燃料の消費を減らすことが可能になる。日本の原子力発電では熱効率は30%程度である。

FEPCの昨年12月の発表によると、会員会社がこの年に稼働開始したのは水力発電所1基とLNG火力発電所1基だけだった。東北電力が稼働開始した仙台市内の新仙台火力発電所は、LNGを燃料とする49万キロワットの規模で、熱効率は60%を超えると発表している。コンバインド・サイクル方式により、主タービンから出る排ガスで蒸気タービン3基を運転させて高い熱効率を得るのが特徴だ。

オンタリオ州はカナダの原子力発電の中心地であり水力発電も可能だから、石炭火力発電を廃止するという方針は妥当であろう。FEPCによると、州政府は700万台の車両を道路から無くするのと同等の効果を持ち、北米で最大の温室効果ガス削減計画であると説明している。

 

潮昭太(東京在住フリーランス記者)

Page Top