高レベル核廃棄物処分場の土地探しで日本はカナダに遅れ

「使用済み」核燃料を再処理した後に出てくる「最終的な」つまり高レベル放射能の核廃棄物を処分するための土地探しは、どこの政府にとっても至難のわざである。原発先進国のアメリカでもネバダ州ユッカ・マウンテンへの立地で失われた10年間を経験しながら解決に至っていない。

ところが、フィンランド政府は2015年11月12日に処分場に許可を出す世界最初の政府となった。最終処分場を運営するポシバ社に廃棄物を容器につめる工場と処分場の建設を認可したのだ。

ヘルシンキ発のこのニュースは、処分場の立地探しに一歩前進したカナダの実情を忘れさすような、大きな出来事だった。ワールド・ニュクリアー・ニュースは2015年11月3日号で、カナダの核廃棄物処理機構(NWMO)がオンタリオ州セントラル・ヒューロン市の申し出に応じて初期の第1段階評価を終えたと報じた。

日本人にとって驚きであるのは、21もの地方政府(多くは原発が多いオンタリオ州)が評価に手を挙げたということだ。「うちの裏庭ではダメ(Not-in-my-backyard)」というNIMBYの感情は、これらの自治体には存在しないようだ。このうち第2段階の評価に進んだのは11の自治体。

日本の原子力環境整備機構(NUMO)は経産省の許可を得て2000年10月に設立された。NWMOと同じく立地探しを目的にしている。早くも15年の歴史を有することになったNUMOがかつて見つけたのは高知県の東洋町だけだ。これが2007年1月のことで、町長は4月の選挙では再選を逃す羽目に至った。

経産省の資源エネルギー庁は、2015年に地方自治体への他力本願から同庁とNUMOによる自主的立地探しに舵を切った。

最終処分場は概ね、地下300メートルの地層に処分する。

資源エネルギー庁は、まず2年間、地震などに関する歴史的な一般的調査を実施することにしている。

その著書「なぜ再処理するのか?」で大和愛司(元動力炉・核燃料開発事業団)は、日本列島が北欧やカナダとは異なり、「変動帯」に位置すると言う。しかし、NUMO創設前に8年間をかけて実施された研究は「十万年程度の安定な地質環境は国内に広く分布する」という結論に達した、と彼は書いている。

資源エネルギー庁は、さらに次の4年間で地方自治体の許可を得て具体的な地質調査をやり、その後の14年間に詳細調査を実施する意向である。

つまり、日本はカナダに14年ほどの後れを取っていると言えそうだ。NUMOの失われた15年間に匹敵する時間だ。

 

潮昭太(東京在住フリーランス記者)

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