カナダから日本向けの液化天然ガス輸出に進展

出光興産によるカナダから日本に向けた液化天然ガス(LNG)輸入は2018年に開始できると見込まれる。これは石油天然ガス・金属鉱物機構(JOGMEC)の幹部が11月19日、都内で開催された公開セミナーで明らかにした見解だ。

JOGMECの山田剛士・バンクーバー事務所長によると、カナダ西海岸地域にあるLNGプロジェクトは20件。また、同国の天然ガス可採埋蔵量は600兆立方フィートである。

出光興産はブリティッシュ・コロンビア(BC)州のダグラス・チャンネルLNG企業体の3分の1の権益を保有している。他の参加企業はアルバータ州カルガリーを拠点とする大手のアルタガス、EDFトレーディング(フランス電力公社の子会社)とベルギーのLNG運送業者、EXMAR社だ。

企業体は2015年末までに最終投資決定(FID)を実施する予定、と山田氏とカルガリー・ヘラルド紙(2015年1月28日号)は言う。FIDにより企業体からの最初の輸出が2018年に可能となろう。EXMAR社がBC州キティマトに近いダグラス・チャネル{水路}でバージ上に(浮かぶ)液化設備を建設する。当初の生産能力は年産55万トンである。

カナダのジャスティン・トルドー新首相は日本からのLNG関連投資を歓迎するという声明を発表している、と山田氏は言う。

トルドー首相と閣僚が勢ぞろいしてから2日しか経過していない時に、バラク・オバマ大統領はキーストーンXLパイプライン計画を認めない、と発表した。これはすでに存在しているキーストーン1期パイプライン(カナダ産タールサンドから取れる重質原油をアルバータ州ハーディステイからネブラスカ州スティールまで運んでいる)に1,899キロの短いルートを加えようとする計画であった。

トルドー首相は「保守党の前任者よりも緑の政策をという公約を破ることなく、原油輸出を続ける新方策を生み出す必要に迫られている」とエコノミスト誌は伝えた(2015年11月14日号)。同誌はさらにこう報じた。「オバマ氏によるトルドー氏の就任直後でのキーストーンXL計画つぶしは、トルドー氏への親切心であった。トルドー首相がXL計画をダメにしたという避難を浴びないですむからだ。だが、その一方で、トルドー首相はカナダ州政府の首相に対し説得しやすくなる。石油輸入国側から気候変動助長を理由にして差別を受けないよう、XL計画ご破算のような二酸化炭素削減を目指す全国的な計画を作成する必要があると州政府に訴えやすくなる」と。

LNGは燃焼時に石油よりも少量の二酸化炭素を発生する。

カナダ産LNGの日本への輸入には、オーストラリア産と同様に、海上輸送に要する期間が8日程度と短いという利点がある。これに対して中東からの原油輸入は18日ほどかかると山田氏はセミナーで指摘した。

潮昭太(東京在住フリーランス記者)

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