日本人はカナダのことを本当はどう思っているのか?

筆者はいま、英国放送協会BBCが毎年出す「BBC Countries Rating Poll」(2014年)というのを見ている。BBCが米国の世論調査会社「グローブスキャン」(GlobeScan)と組んで年1回行うもので、ある国の人々が他の国の影響についてどう見ているかを調査するものである。

これは世界の国々20か国前後について毎年、「世界に対してポジティブな影響を与えている」と「ネガティブな影響を与えている」と思われているかの割合を調査したもの。

この調査でカナダと日本は再びポジティブな影響を与えていると思われている国のトップグループに入っている。つまり、カナダは、ドイツに次いで2位(2013年の調査と同じ順位)で、日本は1つ下がって5位になった。

この調査で興味深いことは、カナダ国民が日本についてはっきりした意見を持っているのに対して、日本人の方は45%しかカナダについて明確な意見を持っていないということだ。つまり、58%のカナダ人が日本はポジティブな影響を与えているとし、30%がネガティブな影響を与えている、と見ている(12%が中立またはブランク)のに対して、日本人はカナダについて、44%がポジティブ、1%がネガティブと答え、残りの55%が中立または何の意見も持っていない。韓国人と比較すると、彼らはカナダについて84%がポジティブかネガティブかどちらかはっきりした意見を持っている。

印象が中立だということは何か心配するほど悪いことではない。特に、ポジティブな見方がネガティブを圧倒しているときには、それは問題にはならない。それでも、それがなぜなのか、インターネットで少しリサーチをしてみた。その結果、2つの面白そうなコンテンツが見つかった。どちらも方法論的にはあまり科学的ではないけれども、それでも興味をそそるものだ。

1つ目は15人ほどの日本人大学生にインタビューしてカナダの印象を尋ねているもの。ほとんどの学生がカナダといえばいつも名前があがるお馴染みのものを羅列した。メープルシロップ、オーロラ、豊かな自然、ナイアガラの滝、それにカナダの寒さ。それらの印象について、さらに詳しく述べるように言われると、あるいは、ステレオタイプでもよいからネガティブなものを挙げるようにといわれて、彼らのうちの数人は、カナダには何もそういうものがないとか、カナダにはあんまり事件が起こらない(お隣米国と比べるとだが)、と答えている。そういう回答はまさに、このBBCの国の影響力調査での中立の答えの多さと合致するのだ。

2つ目は、ポータルサイトの「エキサイト」(Excite)に出た投稿メッセージで、「なぜ日本人はカナダへの移住に興味がないのか」という問題を議論している。この記事は、中国人のブロガーが、カナダになぜ日本企業の駐在員や長期居住者など「日本人エクスパッツ」が相対的に少ないのかを考えている知り合いの中国人たちの話を紹介している。現在の日中両国の緊張関係を考えると奇妙な話だが、この中国人もほかの中国人もみなカナダより日本の方が好きなように見える。

カナダの大学では多数のアジア出身の学生が留学しているが、日本人留学生をカナダの大学で見かけるのは比較的まれだということについて、中国から来ている大学院生は次のように説明して見せた。「日本がカナダより良いということは周知の事実だ。日本は多分自然環境ではカナダと比較にならないが、日本で仕事を見つけるのははるかに簡単だし、理由もなしに解雇したりしない。日本にはカナダよりもっと思いやりの心がある。カナダ人と比べて日本人はもっと親切だ」。

カナダに移ってくる前に7年間日本で勉強していたという別の中国人も、同様のことを言っている。「正直言って、日本からカナダにやってきたけれど、自分はカナダになじむことができなかった。それは、日本人がカナダ人よりはるかにいい人たちで親切だからだ。日本では、バスを降りるとき、運転手がありがとうございました、というけれど、カナダでは乗客がバスの運転手にありがとう、というのだから」。

インタビューの最後の一人はこう言った。「自分の国がカナダよりよいと思っていたらカナダには移住しないだろう。それはごく自然のことだよ。母国で快適に生活できるなら、自分の言うことが通じないとか、恐ろしい目に遭うようなよその国にどうして行くだろうか」。

多分これら3人はみんな欧米の体験には向いていなかったということだろう。

結局、カナダの素晴らしい大学の環境も、魅力的な自然環境も、ハイテクや新しい産業の活況も、海外に出ようと考えている日本人にとってカナダは、米国や欧州、あるいは中国のような、冒険心に心躍らせるような行き先では決してなさそうだ。

ダニエル・フェイス トークス・バイスプレジデント

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