カナダ開発の原子炉が海外でも一貫して維持されている

「カナダの2組織(原子力産業機関=OCNI、カナダ・韓国ビジネス協議会)は、韓国原子力界とカナダ側供給企業との交流を推進・手助けする計画をすすめるため、カ・韓両者間で新しい戦略的パートナーシップに合意、調印した」とロンドンのオンライン・ニュース「世界原子力ニュース(WNN)」が9月4日に伝えた。

カナダは長年、原子力の要をカナディアン重水ウラン炉(Candu=Canadian deuterium uranium reactor)としてきた。連邦政府が民間企業と協力して開発した炉型である。

この原子炉は同国内では12基がオンタリオ州、1基がニューブランズウィック州で稼働している。同数の原子炉が海外でも稼働中だ。内訳はアルゼンチンが1基、中国が2基、パキスタンが1基、ルーマニアが5基そして韓国が4基である。

日本の原子炉メーカーの国際ビジネスに関しては、まず東芝が世界の関係者を驚かせた。沸騰水型(BWR)の原子炉メーカーである東芝が、米国を本拠地とし、加圧水型原子炉(PWR)の大手であるウェスチングハウス社(WH)の87%の株式取得を完了したのは2006年10月のことであった。買収価格は約6,500億円だった。多くの国に原子力政策を見直しさせることになった福島第一原発の重大事故より4年以上前の買収劇だ。

WH社は中国の浙江省三門で4基のPWRプラントを建設することが決まっており、1号機の営業運転開始は2016年9月の見込みとなっている。

福島の事故で長期的な原子炉建設の見込みが不確かになったため、東芝のライバルである日立は英国のホライズンズ原子力の株式をドイツの2電力会社から取得した。2012年10月のことだ。日立による英国での原子炉建設は2原発で各2-3機となる見込みだ。1号機の営業運転開始は2020年代になりそうだ。

かつてWHからPWR技術を取得した三菱重工業(MHI)は、フランスの総合原子力企業、アレバと組んでATMEA1と名付けられたPWR炉を開発済みだ。トルコはこの原子炉を4基、シノップで建設する計画を有している。第1基目の建設開始は2017年になりそうだ。ただし、同国初の原発はロシアのロスアトムの主導により、アックユで建設される。

ベトナムでもMHIが有力視されている。2機のPWRの立地はカムラン湾より南にあるビンハイとなる。トルコの場合と同様に、まずロスアトムがベトナム初の原発をフォクディンで手がける。

MHIや日立の役員は、2011年3月の重大事故の前には、原子炉を丸ごと輸出することは想定外であったと言っている。

WNNはこう報道している。「カナダと韓国の長年にわたる関係は、カナダ側の設計による4基のCandu炉建設がウルサン(蔚山)で実施されて以来、30年以上続いてきた。4基すべてが今も運転中である」

原子炉メーカーはプラント保守・改造も手掛ける。ウルサンの場合も例外ではなく、カナダ側は1号機の大幅改修(2013年完了)を支えたとWNNは伝えている。

潮昭太(東京在住フリーランス記者)

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