カナダの電力を担う主役は水力発電

クイズをやっていただこう。次の文章は正しいか、誤っているか。
水流は長いこと動力を得る手段であったから、水力発電は蒸気機関の発明に始まる産業革命に先立った。
答えは間違いである。説明は記事の最後に。

カナダは長年、エネルギー大国であり続けた。経済協力開発機構(OECD)の国際エネルギー機関(IEA)の発表によると、2014年のカナダのエネルギー自給率は162%だった。原子力を含む自給率は、さらに高く173%となった。余剰電力はアメリカに輸出されている。

エネルギー資源に恵まれたアメリカでも、原子力を含む自給率は85%だ。原子力込みの比較では、イギリスは57%。フランスは原子力大国であり、原子力を除く自給率は9%だが、原発を含む数字は54%に跳ね上がる。

日本の自給率は5%にとどまっている。43基の使用可能な原子炉がすべて停止しているからだ。カナダの水力発電容量は2014年の77,600メガワット(MW)から、2025年には84,800MW(総発電能力の49.4%に相当)に伸びるとコンサルティング会社のグローバル・データが予測している。電気事業連合会が8月19日に紹介した予測値である。

日本の水力発電に関する数字も印象的だ。約2,000の水力発電所がおよそ550の市町村に立地している、と経済産業省の資源エネルギー庁は言う。

さらに印象的な(否定的で残念な)数字もある。日本の総電力発電に占める水力発電の割合は3.2%に過ぎないと言う。

水力発電所を有する市町村を訪れたり通過する旅行者は、水路があるので、これらの発電所にすぐ気付くだろう。同時にこれらの発電所がある場所は、問題に直面しているのではないかと感じるであろう。資源エネルギー庁によると、ほとんどの水力発電所が過疎化や老齢化の難問と戦う山間地の市町村に立地している。

打つ手はあるのだろうか。
自民党の約40人の国会議員はダム・水力発電推進を目指す議員連盟を立ち上げる、と8月下旬に決めた。経産省は2016年度に水力導入と更新を進めるため51億円の補助金を提供できるよう、予算を求めている。水力発電所のおよそ半数は運転開始後40年を経ている。資源エネルギー庁は2020年度までに100MW(10万キロワット)の新規開発を目指している。

クイズ解説。世界初の水力発電所は1882年9月30日、米国フォックス川(ミシガン湖の西)のウィスコンシン州アップルトンで発電を開始した。産業革命が英国で始まったのは1760年代である。

潮昭太(東京在住フリーランス記者)

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